海水魚水槽完全ガイド
【完全版】海水魚 飼い方ガイド|初心者でも失敗ゼロで始める水槽立ち上げ・必要な道具

「海水魚を飼ってみたいけど難しそう…」その不安、今日で終わり。
22年間の実務経験を持つプロが、最新の知見(2025年版)を踏まえて、立ち上げ→水質管理→生体選びまで“つまずきやすいポイント”を徹底解説。正しい設計と運用ができれば、憧れのカクレクマノミからサンゴの美しい水景まで、あなたにも実現できます。
成功への最短ルートを公開
プロが実務で愛用する厳選アイテムと、うまくいくための知識を体系化。初心者/伸び悩み中の方の両方に効く“実装レベル”のノウハウです。
- 最初に選ぶべき水槽サイズ&システム
- 立ち上げ~安定化の時系列チェック
- 失敗しない海水魚&無脊椎の選び方
「あのプランにしておけば良かった」と後悔しないためにも、業界歴22年の社員がいる弊社へぜひご相談ください。
長期的に安心して楽しめるサービスプランをご案内いたします。
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海水魚水槽の導入イメージ事例
初めてのマリンアクアリウムに、ちょうどいい一台を。
ここでは、海水魚水槽を初めて導入する方のために、シンプルで扱いやすいマリンアクアリウムを厳選。複雑な海水用機材はできる限り省き、はじめてでも安心してスタートできる設計です。
シンプル構成で、はじめやすい
必要最小限の機材で構成し、設置〜運用までのハードルを低減。初めてでも迷わず始められる、扱いやすさを大切にしています。
人気種からサンゴまで対応
カクレクマノミ、“ドリー”で知られるナンヨウハギに加え、イソギンチャク・サンゴの飼育まで楽しめる十分なスペックを確保しています。
写真の中で気になる水槽がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの理想のマリンアクアリウムが、ここから始まります。




海水魚飼育をはじめる前に

海水魚水槽を始める前に、知っておくべき大切なこと。
これから海水魚水槽を始めたい方へ、まずは押さえておきたいポイントをお伝えします。私はアクアリウム業界で多くの飼育相談に向き合ってきましたが、海水魚飼育は決して「簡単」ではありません。それでも、正しい設計と最初の一歩で、初心者の方でも美しいマリンアクアリウムを長く楽しむことができます。
難しさの正体①:人工餌に慣れにくい個体
流通する個体の多くが天然採取で、人工餌に慣れにくいことが失敗の大きな要因です。入荷直後に体調を崩している個体もあり、健康な個体を選ぶ目が成功を左右します。
難しさの正体②:環境変化と病気のリスク
塩分濃度や水温の乱れは体調不良の原因に。底砂の巻き上げをきっかけに白点病が出やすくなるなど、取り扱いには注意が必要です。
初心者でも成功できる理由:最初の「設計」と「設置」
初心者の方でも上手に管理できているお客様が多いのは、適切な機材選びとプロによる初期設置を行っているからです。最初からバクテリア付き底砂・ろ過材・ライブロック・飼育水を用いて立ち上げることで、成功率は飛躍的に高まります。
健康な個体を迎える
入荷直後の体調や餌付きの様子を確認。信頼できる供給元から状態の良い個体を選びましょう。
機材は“必要十分”に
ネットの情報に流されず、飼育する生体に適した実用的な機材構成を。シンプルこそ継続の鍵。
最初の立ち上げはプロと
初期の環境設計と設置で差が出ます。正しい手順を踏めば、安定までの時間が短縮できます。

海水魚飼育にかかる初期導入費用について

海水魚水槽の初期費用:失敗しない“はじめ方の相場観”
設置を検討する際に気になるのが初期費用。水槽サイズ、ろ過システム、飼育する生体によって変動しますが、カクレクマノミのペア+イソギンチャクを目安にすると、概ね10〜15万円前後が基準になります。
価格に幅が出る理由
費用は次の選択で大きく上下します。
- 水槽用クーラーの有無(夏季の安心感を重視するか)
- ろ過システム:オーバーフローか、外部フィルターか
- 水槽サイズと生体ラインナップ(光量・機材グレード)
もっとも費用を抑える構成
室内エアコンを24時間稼働で室温管理し、外部フィルターで運用する構成が、初期費用を抑える最小構成です。
最低おすすめサイズ
失敗リスクを下げるなら、45cmキューブまたは横幅60cmから。30cmやボトルでも始められますが、水量の少なさ=変化に弱いため難易度は上がります。
導入の進め方(失敗を減らすコツ)
- 機材選定→設置→水づくりの順に丁寧に。
- 生体は2週間おきに少数ずつ追加し、約3か月で完成を目指す。
- 水温・比重・アンモニア/亜硝酸を試薬で確認しながら進める。
※ 上記金額は目安です。生体・機材の選定や季節、設置環境によって変動します。

元気な海水魚を選ぶおすすめポイント

海水魚飼育22年の視点:初心者でも“上手に選べる”ポイント
海水魚飼育が難しいと言われる大きな理由は、ワイルド(天然)個体が多いこと。金魚や淡水熱帯魚の多くが養殖個体で人工餌に慣れているのに対し、海水魚は人工餌に馴染みにくい・入荷直後に体調を崩しやすいという特性があります。ここでは、はじめての方でも失敗を減らせる選び方をまとめました。
難しさの本質:ワイルド個体が多い
人工餌に慣れるまで時間がかかる個体や、入荷直後でコンディションが安定していない個体が存在します。「健康で餌付きの良い個体」の見極めが成功の分かれ道です。
まずは“買う前の基準”を持つ
下のチェックリストの3点を満たす個体を選べば、最低限のリスクを回避できます。
入荷後2週間以上経過
ショップ到着から約2週間経ち、体調が安定している個体を選ぶ。
人工餌をしっかり食べている
給餌の様子を確認。自分が使う餌と近い性質の餌で食べていると安心。
管理水槽に病気の兆候がない
購入候補だけでなく、同居・隣接水槽に白点・ヒレ裂け等がないか確認。
ステップ1(0〜1週目):準備を整える
機材稼働・比重・水温・pHを安定させ、バクテリア環境を育てる。導入前の水換えも実施。
ステップ2(1〜8〜12週):計画的に追加
合計約3か月を目安に、1〜2週間に1度のペースで少数ずつ追加。アンモニア/亜硝酸を試薬で確認しながら進める。
ステップ3:完成&安定運用へ
希望のラインナップが揃ったら、給餌・換水・清掃を定例化。新規導入は隔離(トリートメント)を検討。
一度に大量導入はNG
短期間に多くの個体を追加すると、バクテリアの処理能力が追いつかず水質悪化を招き、衰弱・病気のリスクが急増します。必ず段階的に導入しましょう。
海水魚を飼育する水槽を選ぶポイント

海水魚に“確実”を求めるなら:
90cm以上 × オーバーフローが基本解
結論から言うと、横幅90cm以上の水槽と、ろ過能力の高いオーバーフロー(OF)システムの組み合わせが、海水魚飼育で最もおすすめです。大きい水量は水質・水温の変動を抑え、日々の管理を安定させます。
大型水量のメリット
水槽が大きいほど水質・水温が安定し、急変ストレスが軽減。とくに海水魚は変化に弱いため、余裕のある水量が失敗リスクを大きく下げます。
OFシステムの強み
ろ過槽の容量に余裕があり、ろ過材をたっぷり使えるため水質が安定。プロテインスキマー・殺菌灯・カルシウムリアクターなどの機材もスマートに格納できます。ろ過材の頻繁な洗浄に頼らず、年単位の安定運用が可能です。
見た目も機能も、無理なく両立
機材をろ過槽内に集約できるため、リビングやオフィスで配線や機器の露出が最小に。見た目を損なわずに、本格機材を選定・導入できます。
配管は“専門領域”。DIYは水漏れに注意
オーバーフローは塩ビ配管での専門的な施工が必要。初挑戦でのミスは水漏れトラブルの原因になり得ます。不安な場合はプロに相談するのが安全・確実です。
まずは90cm以上を基準に
水量の余裕=トラブル耐性。魚にも人にもやさしいサイズ感です。
ろ過槽容量は“余白”を持たせる
ろ過材をケチらない設計で、長期安定を実現。
見せない機材計画で美観UP
スキマーや殺菌灯はろ過槽へ集約し、リビング映えをキープ。

海水魚水槽のろ過システム1: オーバーフロー水槽

オーバーフローシステムで、マリンアクアリウムをもっと自由に。
マリンアクアリウムを楽しむうえで最もおすすめなのがオーバーフロー(OF)システム。ろ過面積が広く水質浄化能力が高いだけでなく、必要に応じて機材を拡張しやすい柔軟性が魅力です。入門種として人気のカクレクマノミはもちろん、多彩な海水魚の飼育に最適です。
高効率ろ過と拡張性
大きなろ過槽容量により、ろ過材をたっぷり使えて水質が安定。プロテインスキマー・殺菌灯・カルシウムリアクターなどの機材もスマートに組み込め、オリジナル設計がしやすいのが特長です。
サンゴ・イソギンチャクにも理想的
海水魚に加え、サンゴやイソギンチャクなど無脊椎の育成にも好適。機材は水槽台内部(ろ過槽)へ収納でき、美観を損なわず本格飼育が可能です。
進化する“オールインワン型”オーバーフロー
近年はRed Sea社 REEFERシリーズのように、配管接着剤を使わずねじ込むだけで組み立てられるオールインワン型も登場。導入のハードルが下がり、より安全・身近に楽しめる時代へ。
美観と機能を両立
配線・機材をろ過槽へ集約し、リビング映えをキープ。
長期安定運用
ろ過材の頻繁な洗浄に頼らず、年単位の安定を目指せます。
入門から本格まで
カクレから多彩な海水魚・無脊椎まで、段階的な拡張が可能。
海水魚水槽のろ過システム2: 外部フィルター

外部フィルターで叶える、静音&スマートなマリンアクアリウム
オーバーフローまでは手が出しづらい──そんな方には外部ろ過フィルターを使ったシステムがおすすめ。オーバーフローに一歩劣るものの、ろ過能力は優秀で、導入コストも控えめです。
外部フィルターの強み
- 静音性が高い:落水音や循環ポンプ音がほぼなく、夜間のリビングでも快適。
- 機材接続が簡単:水槽クーラーや殺菌灯とスムーズに連携。
- 導入ハードルが低い:淡水管理の経験があれば、ホース配管も簡単。
オーバーフローほどの拡張性はないものの、静かさ×扱いやすさで選ぶなら最有力です。
注意点と対策
- 酸欠・油膜が出やすい → エアレーションまたはプロテインスキマーを併用。
- スキマーは“浄化”担当:バクテリアの住処にはならないため、ろ過材がしっかり入る外部フィルターが必須。
- サンゴ育成には水槽用クーラーがほぼ必須。外掛け式スキマーはクーラー直結できない場合が多いため外部フィルター中心+スキマー補助が◎
外掛け式プロテインスキマーの活用
淡水用の外掛けフィルターに相当する外掛け式プロテインスキマーを使えば、小型水槽でも海水魚やサンゴの飼育が可能。
ただし、スキマーは有機物の除去(泡沫分離)に特化しており、生物ろ過の担体にはならないため、外部フィルターとの併用が前提です。
Tip 1|ろ過材は“惜しまない”
外部フィルターには大容量のろ過材を。生物ろ過を厚くし、安定感を高めます。
Tip 2|酸素は常に豊富に
油膜や白点対策にもエアレーションが有効。スキマー併用なら酸素供給&浄化を同時に。
Tip 3|サンゴには温度管理
クーラーの導入で季節変動を吸収。外部フィルター中心+スキマー補助がベスト。
まとめ:海水魚を健やかに育てるなら、外部フィルターを主軸にろ過材をしっかり詰め、プロテインスキマーを併用して水質を底上げ。静音・低コストで始められる、現実的で賢い選択です。

海水魚水槽に使用する機材の選び方

水槽サイズやろ過システムを決めたら、次は照明やクーラーなどの水槽機材を選定します。
ここでは、水槽業界で21年経験し培った知識をもとに、おすすめの海水魚水槽機材の選び方について解説していきます。
LED照明|サンゴと海水魚を輝かせる光の選び方

海水魚でもサンゴでも、照明で水槽を明るく照らすことは生体の健康を維持するうえで非常に重要です。
1日8〜10時間程度の照明点灯を目安に、自然光に近いリズムをつくることが理想です。
マリンアクアリウムの照明選びは、「何を飼育するか」によって最適なタイプが異なります。
コスパ重視&海水魚中心の方に
予算を抑えつつ海水魚中心で楽しみたい方、またLPSやソフトコーラルといった比較的育成しやすいサンゴを目指す方には、
ゼンスイ社の「シャイニングブルー」や「マルチカラーLED」がおすすめです。
サンゴの種類による照明選び
サンゴは大きくソフトコーラルとハードコーラルの2タイプに分かれます。
ソフトコーラル(ウミキノコ・トサカ・スターポリプ・ディスクコーラルなど)は、中〜弱光でも十分育成可能。
ゼンスイ社のLEDシリーズでも美しく育てることができます。
本格派のハードコーラル育成には
ハードコーラルの中でも光量を多く必要とするミドリイシ(SPS)などを飼育する場合は、
フルスペクトルタイプの高性能LED照明、または
RedSea社「REEF LED」シリーズ(ブルー重視)がおすすめです。
波長バランスに優れ、サンゴの蛍光色をより美しく引き出します。
光を抑えて添加剤で補う新しい育成法
近年では、照明を控えめにしながらサンゴ専用添加剤や給餌を組み合わせて育成するテクニックも注目されています。
照明を強く当てるだけでなく、栄養バランスを整えることでより安定したサンゴ育成が可能です。

水槽専用クーラー

近年の猛暑を乗り越えてマリンアクアリウムを楽しむためには、水槽用クーラーの導入が必須です。
予算が許すなら、ぜひ最初から導入することをおすすめします。
イソギンチャクやサンゴは28℃以上の高水温になると、共生している褐虫藻が排出され弱ってしまうため、無脊椎動物を飼育する際は特に注意が必要です。
設置時の注意点:クーラー収納と換気
外部ろ過器や水槽用クーラーを水槽台内に収納する場合は、機材スペースと排熱経路を十分に確保しましょう。
換気が不十分なまま設置すると、クーラーが排出する熱気がこもり、内部温度の上昇で故障の原因になります。
多くのメーカーが「水槽台内への収納を推奨していない」のはこのためです。
実際、弊社でもこれまで多数の設置を行ってきましたが、外出しのクーラーほど長持ちする傾向があります。
アクアレンタリウム独自の工夫
アクアレンタリウムでは、試行錯誤を重ねた結果、水槽台内部でもしっかり換気ができる特殊加工を確立しました。
デザイン性を損なわず、安全にクーラーを内蔵できるよう設計しています。
水槽台の製作・販売・設置をご希望の方は、ぜひアクアレンタリウムへご相談ください。
お部屋のインテリアに合わせた木製・鉄骨・カラーオーダーにも幅広く対応可能です。
おすすめメーカー:ゼンスイ株式会社
水槽用クーラーは各社から販売されていますが、弊社のおすすめはゼンスイ株式会社の製品です。
理由は、アフターフォローの手厚さとコストパフォーマンスの高さ。
ゼンスイ社公式サイトでは、水槽サイズに応じたクーラー容量を求める選定計算式も公開されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
プロテインスキマー

マリンアクアリウムを楽しむ上で、プロテインスキマーの存在を知っておくことはとても重要です。
可能であれば、プロテインスキマーは導入すべき最高の機材といっても過言ではありません。
そのメリットは以下の通りです。
- 水の汚れを泡の力で濾し取り透明度を上げる
- 溶存酸素量を高める
- 水質の向上
海水には多くの有機物や不純物が含まれていますが、プロテインスキマーは微細な泡の力でそれらを物理的に除去します。
通常のろ過システムでは、魚の排泄物や餌の残りをバクテリアがアンモニア→亜硝酸→硝酸塩へと分解しますが、
プロテインスキマーはバクテリアが分解する前に汚れを取り除くことができるのです。
サンゴ育成における重要性
硝酸塩は、ミドリイシなどSPS(光を多く必要とするハードコーラル)にとって成長阻害や白化の原因となります。
そのため、SPSを飼育する場合はプロテインスキマーは必須です。
海水魚のみ、またはLPS・イソギンチャク・ソフトコーラル中心の飼育でも、設置を強く推奨します。
プロテインスキマーの仕組み
装置内部で発生した微細な気泡が有機物を吸着し、泡とともに上部のカップに排出されます。
これにより、バクテリアが処理する前に有機物を除去し、水質をクリアに維持することが可能です。
導入時のポイント
最近では、小型から大型まで多くの優秀なプロテインスキマーが登場しています。
はじめて導入する方は、水槽サイズに合ったモデル選びを意識しましょう。
過剰ろ過にならない範囲で、ろ過能力に余裕をもたせると安定します。
また、外部フィルターやサンプ(ろ過槽)と組み合わせることで、より高い水質維持効果を得ることができます。
殺菌灯

チョウチョウウオ類やヤッコ類など、病気にかかりやすく繊細な海水魚を飼育する場合は、殺菌灯の設置を検討してみましょう。
ただし経験上、殺菌灯は「病気を抑える即効性のある機材」ではありません。
アオコの発生や水の黄ばみを抑制する目的では効果を実感できますが、白点病の発症を抑える目的で導入しても効果は限定的です。
殺菌灯はあくまで補助的な存在であり、病原菌を完全に除去する装置ではないという点を理解しておきましょう。
効果的な活用法:予防としての設置
殺菌灯を最も上手に使う方法は、病気が発生してからではなく予防として導入することです。
海水魚を水槽に入れる前にあらかじめ稼働させ、水質を整えてから生体を迎えることでリスクを大幅に減らすことができます。
おすすめの殺菌灯メーカー
各メーカーからさまざまな殺菌灯が販売されていますが、初めて導入する方には以下の機種がおすすめです。
- カミハタ社「ターボツイスト」:配管接続が簡単でメンテナンスも容易。
- ゼンスイ社「UVバズーカ」:シンプル設計で取り付けやすく、初めてでも安心。
そのほか、ナプコリミテッドQLシリーズや東熱殺菌灯なども性能が高く、用途や水槽規模に応じて選べます。
適切な流量設定が重要
殺菌灯を設置する際は、水槽サイズに合ったモデルを選定するだけでなく、通水ポンプの流量にも注意が必要です。
メーカーが指定する適正流量を守らなければ、殺菌効果が十分に発揮されません。
殺菌灯を導入する際は、必ず使用説明書を確認し、推奨流量に合わせてポンプを選定しましょう。
正しく運用すれば、殺菌灯は海水魚にとって快適な環境をつくる頼もしいサポート機材となります。
ドーシングポンプ

サンゴ飼育に欠かせない微量元素(カルシウム・マグネシウムなど)を自動で補給する装置が、ドーシングポンプです。
これまでは人の手で毎日添加する必要がありましたが、ドーシングポンプを導入すれば手間をかけずに安定した水質を維持できます。
水槽内の微量元素量を一定に保つことで、サンゴの健全な成長と色揚げに効果を発揮します。
サンゴ飼育を本格的に楽しみたい方にぴったりの、上級者向け機材です。
設置自体は説明書を見ながらでも行えますが、水槽設置を業者に依頼する場合は、ドーシングポンプの設置も一緒に依頼するのがおすすめです。
自動給水システム
海水魚水槽では、水が蒸発すると塩分だけが残り、塩分濃度が上昇します。
これにより魚の餌喰いが悪くなったり、サンゴの開きが悪くなったりすることがあります。
定期的に水足しや水換えを行うのが難しい場合は、自動給水システムの導入がおすすめです。
水槽内の蒸発を感知して自動的に純水を補給し、常に安定した塩分濃度を維持します。
特にフタのない水槽では蒸発が激しく、数日間の外出でも塩分濃度が急上昇することがありますが、自動給水システムがあれば安心です。
出張や旅行などで家を空ける機会が多い方は、トラブル防止のためにも導入を検討してみましょう。
海水魚飼育に必要な資材について

水槽の機材を選んだら、いよいよ水槽内の資材を選んでいきます。
底砂やろ過材、ライブロックと呼ばれるレイアウトにも使用する、海水魚水槽における重要アイテムを紹介していきます。

底砂
マリンアクアリウムで最もおすすめの底床は、カリブシー社の「アラゴナイトサンド」またはレッドシー社の「ライブリーフベース」です。
完全なパウダー状の細かすぎる砂ではなく、やや粒の大きいサンゴ砂を選びましょう。
細かすぎる砂は海水魚が動いた際に巻き上がりやすく、白点病を誘発するリスクが高まります。
カリブシーのアラゴナイトサンドは種類が豊富ですが、あらかじめバクテリアが付着しているタイプを選ぶと、水槽の立ち上げがスムーズになります。
一方で、景観よりも安定性を重視する場合は、砂を敷かない「ベアタンク」方式もおすすめです。
掃除がしやすく、病気の発症リスクを大幅に減らせる点が魅力です。
実際にアクアレンタリウムでは、生体ストック用水槽にベアタンクを採用しています。
ろ過材
ろ過材には、棒状のLLサイズのサンゴろ過材が最もおすすめです。
目詰まりしにくく、pH低下を緩和する効果も期待できます。
セラミック系ろ過材も人気ですが、コストパフォーマンス面ではサンゴろ過材が優秀です。
より高い性能を求める方には、バイコム社の「バフィー」も非常におすすめです。
バクテリアの定着力が圧倒的に高く、水質の安定性が増します。
また、pHが下がってきた際には、牡蠣殻を少量入れることで緩衝作用を得ることができます。
ライブロック
マリンアクアリウムの象徴ともいえるのがライブロック(生きた岩)です。
長年をかけてゴカイなどの微生物が住み着いた天然のサンゴの死骸で、無数の穴が空いた構造が特徴。
その穴に海水が循環することで、水質を維持する自然のろ過機能を果たします。
良質なライブロックは、軽くて異臭がなく、石灰藻が豊富に付着しているのが特徴です。
バクテリアが多く含まれるため、水槽の立ち上げを早める効果もあります。
ただし、古いライブロックには死滅した微生物が詰まっており、水質悪化の原因となることも。
必ず信頼できるマリンアクアリウム専門店で購入しましょう。
現在は採取規制などの影響で天然ライブロックの入手が難しくなっており、人工擬岩を使うケースも増えています。
擬岩は品質が安定しており、有害生物を持ち込むリスクがない一方で、バクテリアが付着していないため、ライブサンドやバクテリア剤を併用するのが理想です。
良質な天然ライブロックが手に入る場合は天然を、難しい場合は擬岩を選ぶなど、目的と環境に合わせた選択をおすすめします。
人工海水
おすすめは、レッドシー社の「コーラルプロソルト」です。
高価ではありますが、自然海水よりも高栄養にブレンドされており、サンゴ育成に最適です。
一方で、海水魚のみの飼育やソフトコーラル中心であれば、インスタントオーシャンやシーライフといったリーズナブルな人工海水で十分対応可能です。
ミドリイシなどのハードコーラルは多くの栄養を消費するため、高栄養塩を選ぶか添加剤を併用する必要があります。
コストを抑えたい場合は、安価な人工海水を使いながらカルシウムリアクターや添加剤で補うのも良いでしょう。
ただし、添加剤を使う場合は
初心者の方は、まずシンプルな人工海水を使った管理から始めるのが最もおすすめです。

海水魚やサンゴを上手に飼育する管理方法について

海水魚水槽の日々の基本管理は、コケ取り・水換え・機器洗浄と点検・給餌の4つです。
熱帯魚や金魚、メダカなどと管理の基本は大きく変わりません。
ただし、海水魚飼育が他のアクアリウムと異なる最大のポイントは、「人工海水を使用する」という点です。
現在では、市販の海水魚専用の人工海水の素を使えば、一般家庭の水道水からでも簡単に自然の海と同等の塩分濃度を再現できます。
初めてマリンアクアリウムに挑戦する方の多くが、「飼育方法が難しそう」と感じますが、実際は正しい手順と知識を知っていれば誰でも始められます。
ここからは、水換えや日常管理のポイントをわかりやすく解説します。
もし、「自分で管理するのは不安」「プロに一度見てもらいたい」と感じた場合は、
アクアレンタリウムまでお気軽にご相談ください。
1回から利用できる出張メンテナンスをはじめ、約20年の経験で培ったノウハウを凝縮した
オリジナル海水魚・サンゴ水槽セットの販売・設置・管理までトータルで対応いたします。
全国対応・お見積り無料。
海水魚水槽のレンタル・メンテナンスのことなら、ぜひアクアレンタリウムへ。
海水魚飼育の水換えポイント

海水魚水槽の水換えは、1〜2週間に1度、全体の4分の1程度を目安に行いましょう。
例えば、60cm水槽(約60リットル)なら15リットル程度の換水で十分です。
さらに、3〜6カ月に1度は全体の5割ほどの大換水を行うことをおすすめします。
定期的な換水をしていても、水槽内には徐々に老廃物や蓄積物が増えていきます。
大幅な換水をすることで水槽内の環境をリフレッシュし、水質の経年劣化を防ぐことができます。
水換え頻度の調整ポイント
以下のような場合は、水換え頻度を上げることを検討しましょう。
- 魚の数が多い
- サンゴを同時に飼育している
- 餌を多めに与えている
こうした環境では、pH低下や硝酸塩の蓄積が進みやすく、気づかないうちに水質悪化が進行しているケースがあります。
定期的に水質検査を行い、状況に応じて水換えの頻度を見直しましょう。
水換えを通じて学ぶ水槽の変化
「なるべく水換えをしたくない」「手間を減らしたい」という方も多いですが、はじめてのうちは水換えを経験として行うことが大切です。
実際に換水を行うことで、水質や生体の変化を体感し、管理のコツを身につけることができます。
水換えの際は、コケ取り・ウールマット交換・プロテインスキマーの洗浄も併せて行うと効果的です。
定期的なメンテナンスを習慣化することで、常に透明感のある美しい水槽を維持できます。
水換えに使う人工海水の比重調整について


比重と塩分濃度は同じ意味で使われることもありますが、実際には異なる概念です。
海水水槽における比重とは、水中に含まれる塩分以外のカルシウム・マグネシウム・ストロンチウムなどの溶解成分の総量を示します。
つまり、比重が低い=これらのミネラル成分も少ないということであり、魚やサンゴの調子を崩す原因となります。
さらに、比重は水温によって変化します。
水温が低いと比重は高くなり、高温では下がるため、水換えの際には必ず「水槽と同じ水温」で人工海水を作るようにしましょう。
一方で塩分濃度とは、「1kgの水に対してどのくらいの塩が溶けているか」を示す値で、単位はパーミル(‰)で表されます。
自然海水では約30〜35‰が一般的で、これは1ℓあたり30〜35gの塩を溶かした状態と同等です。
やや難しく感じるかもしれませんが、実際のマリンアクアリウムでは比重を基準に管理すれば問題ありません。
比重の目安と管理ポイント
海水魚中心の飼育では、比重1.023を目安に設定しましょう。
平均よりやや低めに保つことで、溶存酸素量が増えバクテリアも活性化します。
比重が1.021以下になると魚の体色が薄くなったり、エビやギンポ類が衰弱しやすくなります。
逆に1.027以上になると、餌を食べても痩せてしまうなどの症状が見られるため注意しましょう。
サンゴ飼育中心の水槽では、1.025〜1.026を推奨します。
比重が高いほどカルシウムなどのミネラルが豊富になり、サンゴの成長を促します。
自然界では1.027程度が理想ですが、蒸発による濃縮を考慮すると1.026を安定維持するのが最も現実的です。
海水魚への給餌ポイント
海水魚の給餌は1日1〜2回を目安に行いましょう。
餌の種類は、粗タンパク質50%以上の高栄養タイプを選ぶのがおすすめです。
複数メーカーのフードを混ぜることで、栄養バランスを整え健康的に育てられます。
おすすめのフードは、メガバイト(グリーン/レッド)・シュアー・オメガワンなど。
ハギ系の魚は痩せやすいため、状態を見ながら1日複数回に分けて少量ずつ給餌するのが理想です。
人工餌なら、キョーリン社の「海藻70」もおすすめ。
海藻成分が豊富で、ハギ類や草食性の強い魚に最適です。

【番外編】30センチ小型水槽で楽しむマリンアクアリウム




「マリンアクアリウムは設備が大変」「スペースが必要」と思われがちですが、30cmキューブなどの小型水槽でも美しい海の世界を十分楽しむことができます。
小型水槽の魅力は、設置場所を選ばない省スペース性と、手軽に始められる初期費用の安さにあります。
ただし、水量が少ない分、水質変化が起こりやすいため、丁寧な管理が求められます。
小型水槽のポイント
- 必要な機材を厳選する
- 水槽:30cm規格またはキューブ型。
- フィルター:外掛け式や小型外部フィルターなど、ろ過能力と省スペースを両立できるタイプ。
- 照明:海水魚・ソフトコーラル飼育に対応するLEDライト。
- 比重計・人工海水:正確な水づくりは小型水槽でも必須です。
- 水槽の立ち上げと水質管理
- 少量のライブロックを導入し、自然なろ過バランスを形成。
- 水質が安定するまで(約1ヶ月)は魚を入れずに空回しを行い、バクテリアを定着させます。
- 小型水槽は特に週1回、水量の1/3〜1/2の換水を行うことで、長期安定を実現します。
- 生体の選び方
- カクレクマノミやデバスズメダイなど、丈夫で小型の魚を1〜3匹に絞るのがおすすめ。
- キノコ類・ソフトコーラルなど、光量が少なくても飼いやすいサンゴから始めると成功しやすいです。
小型水槽は手軽に始められる反面、水の変化を見極める観察力が求められます。
このコンパクトな海を安定して維持できるようになれば、アクアリウムスキルは飛躍的に向上します。
【知識をさらに深める!】アクアリウム大学 YouTubeチャンネルへ
小型水槽の水質管理や、プロが実践する水換え・清掃テクニックを詳しく知りたい方は、
YouTubeチャンネル「アクアリウム大学【アクアレンタリウム公式】」をご覧ください。
20年以上の実績に基づいたプロの知識をもとに、初心者にもわかりやすく解説しています。
「海水魚飼育」シリーズの再生リストから、あなたの疑問を解決する動画がきっと見つかるはずです。

【番外編2】海藻・海草水槽の魅力について

ここ最近、インテリア性の高い海藻水槽・海草水槽が注目を集めています。
海の植物がゆらめく姿は癒し効果が高く、同時に水質浄化やバクテリアバランスの安定化にも貢献するなど、見た目だけでなく機能的にも優れています。
海藻と海草の違い
一見似ていますが、海藻と海草はまったく異なる生き物です。
- 海藻:ワカメ・ホンダワラ・カギケノリなどに代表される、藻類(そうるい)です。根・茎・葉の区別がなく、岩や砂に付着して成長します。光合成で栄養を作り、塩分濃度が高い海水でも比較的丈夫に育ちます。
- 海草:リュウキュウスガモ・アマモなどの種子植物で、海の中に根を張って育つ植物です。花を咲かせ、種を作るという点で陸上植物に近い性質を持ちます。
簡単に言えば、海藻は藻類、海草は植物です。見た目の美しさだけでなく、水槽内での役割も異なります。
海藻・海草水槽の魅力
海藻や海草をレイアウトに取り入れることで、ナチュラルな水景と生態系の安定を同時に得られます。
- 水質浄化効果:海藻・海草が硝酸塩やリン酸を吸収し、水質をクリーンに保ちます。
- 酸素供給:光合成により酸素を発生し、魚やバクテリアの健康維持に役立ちます。
- 景観性:水流に揺れる海藻や海草はリラックス効果が高く、インテリア性にも優れています。
育て方と管理ポイント
海藻・海草水槽は、一般的な海水魚水槽と少し異なる点があります。ポイントを押さえて管理すれば、初心者でも美しい水景を長期維持できます。
- 照明:光合成に必要な光量を確保しましょう。LED照明ではブルー+ホワイトのフルスペクトルタイプが理想です。
- 底砂:海草を育てる場合はサンゴ砂よりも目の細かいアラゴナイトサンドを使用します。根張りを助けます。
- 水質:比重1.023〜1.025を目安に安定させ、硝酸塩は10ppm以下をキープします。
- 肥料:成長が遅い場合は、微量元素や鉄分を含む液体添加剤を少量ずつ与えましょう。
- 水流:穏やかな水流を意識します。強すぎる水流は藻がちぎれる原因になります。
おすすめの海藻・海草
- ホンダワラ系:育てやすく丈夫で、光量が少なくても育成可能。
- リュウキュウスガモ:水槽内で根を張るタイプの海草で、緑の絨毯のような景観を作れます。
- ウミヒルモ:透明感のある葉が美しく、レイアウトに自然感を加えます。
- カギケノリ:赤系の色味が入り、レイアウトのアクセントに最適です。
海藻・海草のレイアウトは、ライブロックや貝殻と組み合わせると一気に海中らしい雰囲気になります。
照明の角度や水流を工夫しながら、自然の潮の流れを感じる美しい水景を目指しましょう。
また、魚との相性も重要です。カクレクマノミやハタタテハゼ、ヤドカリなど穏やかな性格の生体と組み合わせることで、自然な共生関係を楽しめます。
まとめ
海藻・海草水槽は、自然の海を切り取ったような美しい世界を再現できるだけでなく、水質安定にも大きく貢献する“生きたフィルター”です。
光・水流・底砂の3要素をバランスよく整えれば、初心者でも長期維持が可能です。
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