【完全解説】水槽に生える嫌なコケ・藻類の原因から解決方法

メダカ水槽や金魚水槽、水草が彩る熱帯魚水槽から華やかなマリンアクアリウムまで、あらゆる水槽において人の手を入れて管理をしていかなければ、美しいアクアリウム水槽として楽しむことは難しいものです。
日々のコケ取りや水換え、水槽機器点検をこまめに行いトラブルとなるリスクを極力回避することで、長期に渡り多くの方へ美しいアクアリウム水槽を提供し続けることができています。
しかし、なぜ水槽は汚れてしまうのでしょうか。
水槽の汚れにはいくつか種類がありますが、代表的な水槽の汚れと言えば、やはりコケや藻と呼ばれるアクアリウム特有の汚れを連想される方も多いはずです。
そんな水槽に生えるコケは1種類ではなく、様々な種類が存在します。
複数の種類が存在することが非常に厄介で、コケに合わせた対処法、解決策を練らなければ改善させることは難しいものです。
そこで、ここでは水槽管理を本業としてるアクアレンタリウムが、アクアリウム水槽に生えるコケの原因から種類、そして対処法まで一挙まとめて解説いたします。
水槽のコケで悩んでいる方、必見です。
水槽にコケ・藻が生える原因について

水槽にコケや藻が生える原因は、いくつか理由が存在します。
原因が1つの場合もあれば複数該当している場合もあり、複数該当している場合は根本的な解決策が必要となります。
ただし、悲観的になる必要はありません。
なぜなら、どんな状況でも水槽のコケを消し去ることができるからです。
今まで、いろいろなアクアリウム水槽を手掛けてきましたし、数多くのお客様所有のアクアリウム水槽を改善してきました。
改善不可能だった水槽は無く、美しいアクアリウム水槽へと復活させてきた経験から、確固たる自信がアクアレンタリウムにはあります。
そもそも、アクアリウムを鑑賞し楽しむということは、コケが生えやすい環境を作っていることだと理解しても良いのかもしれません。
その理由をここから、原因とともに詳細解説していきます。
水槽のコケ(原因1): 明るさの問題

水槽に生えるコケの最も考えられる原因は、明るさの問題です。
代表的なものは、水槽に設置する照明です。
照明が明るすぎる、または照射時間が長いとそれだけ水槽にコケが生えやすくなります。
水草を育てるには照明が必要だと強力な照明を設置したり、照明点灯時間を長くする方もいますが、水草とコケは成長するために必要なものはほぼ同じといっても過言ではありませんし、水草が求める明るさが無い環境でもコケは育つことができると考えておくできしょう。
そして、水槽の照明だけではなく、水槽に照射される太陽光や部屋の照明などにも注意をしなければなりません。
とくに太陽光のエネルギーは非常に強力で、日中水槽に直射される場合は、カーテンや暗幕で遮光をするようにしましょう。
水槽の照明は普通のものを使用し遮光もしている方は、部屋の照明も確認してください。
水槽に真上に照明が無いか、ある場合は朝から夜まで照射されていないか今一度確認しましょう。
よくある明るさの問題として、日中は仕事で不在なので水槽照明を消しており帰宅後から水槽の照明を点灯開始するというパターンです。
日中部屋が明るい、そして夜も水槽照明で明るいとなるとコケが成長しやすい時間が長くなる、結果、水槽のコケに悩むことになるのも時間の問題です。
水槽のコケ(原因2): 栄養量の問題

水槽の明るさを見直しても水槽からコケが消えない場合は、水槽内の栄養物を除去します。
水槽で生き物を飼育することで、生き物が食べる餌や排泄物にコケの素となる栄養物が含まれています。
まずは、今より水槽の水が汚れにくい状況に変えていくことからはじめるために、餌の量や回数を減らしていきます。
餌には、骨格形成に必要とされているリンという成分が含まれていますが、リンは水槽内に蓄積してしまうとコケの増殖要因となることから、なるべく餌の食べ残しが無いように与えるようにしましょう。
また、食べ残しが出ないからと1日に複数回与えてしまうと、排泄物の量が増えてしまいます。
排泄物の量が増えることで、バクテリアが一生懸命働き硝酸塩と呼ばれる物質が蓄積しやすくなります。
硝酸塩が増加してしまうとコケが増えやすい環境となるため、餌の回数も1日1回〜2日に1回のペースで給餌をしていくことを推奨いたします。
ただし、餌の量を増減させる時は、生体のお腹の凹み具合を観察しながら整えるようにしましょう。
餌の量を減らしたことで、骨が角ばって見えてくるようなら餌を一時的に戻すなど、生体の健康を最優先にしながらコケを抑制していくことが大切です。
どうしても餌の回数は落としたくない方や、熱帯魚のお腹の凹み具合を観察するのに自信が無い方は、水が汚れにくいネオプロスなどの餌に切り替えるのも有効な手段です。
リンが排出されにくいことで、コケの発生を抑制することもできます。
水槽のコケ(原因3): 水質の問題

水槽の明るさを見直し、餌の量や回数見直してもコケの発生が収束しない場合は、水質悪化を疑っていきましょう。
水質悪化によりコケが出るとは、具体的に水槽内が豊栄養化することです。
栄養があるのは一見良いように感じますが、許容範囲を超えると吸収しきれない過剰な栄養は行き場を無くし、コケに変化していくイメージを持つと分かりやすいでしょう。
過剰な水槽の栄養を減らす方法は大きく3つあります。
1つ目は、水を変えることです。
水槽の中に蓄積した硝酸塩などの栄養を水換えすることで除去する、薄めていくのは非常に効果的です。
私の場合は、コケの量が多く水換えで対処すると判断した場合においては、水槽の水を3分の1〜半分程度交換し、それを2週間に1回の頻度で継続します。
2つ目は、ろ過フィルターを強化することです。
水槽の汚れが水槽内に蓄積させるのではなく、ろ過フィルターを使いしっかり汚れを濾し取ることができれば、水質を清浄化させることができるため、コケを抑制することができます。
また、活性炭やリン酸吸着剤を上手に併用するのも有効な手段ですが、吸着剤などを使用する前にまずは、水換えを中心に改善を試みていき、最後の手段で吸着剤に頼っていくストーリーが原則推奨いたします。
3つ目は、水温です。
水温が高いと、水を浄化させるバクテリアの活動が鈍り水質が悪化してきやすくなります。
とくに夏場は水槽の水温が30度を超えてしまうと一気にコケの発生が加速していきますので、できれば夏場でも28度以下に抑えていくようにしましょう。
水槽に生えるコケ・藻を対処する方法
水槽にコケが生える原因が分かったら、今度はその原因から対処法を実践していきます。
前述のコケの発生原因でも触れましたが、まずは下記4点から手直ししていきましょう。
- 水槽に当たる光の量を減らす
- 生体に与える餌の量を減らす
- ろ過フィルターを強化する
- 水換えをする
この4つを手直ししてら基本が構築できることで、水槽の状態は格段に向上するはずです。
そこで、いよいよ今度は再発防止策を兼ねてメンテナンスフィッシュを適正数投入していきましょう。
オトシンクルス

熱帯魚水槽のコケ対策として、最も有名なメンテナンスフィッシュがオトシンクルスです。
南米原産の小型ナマズの仲間で、吸盤のような口で水槽面から石や流木の表面、そして水草の表面に生えるコケまでしっかりクリーニングしてくれるメンテナンスフィッシュです。
様々なコケがあるなかで、とくに茶ゴケに対して高い能力を発揮します。
私は、30センチ水槽で3匹前後、60センチ水槽で5匹前後を目安に投入しています。
ヤマトヌマエビ

オトシンクルスとセットで、熱帯魚水槽のコケ対策として投入することが多いのが、このヤマトヌマエビです。
ヤマトヌマエビは、水槽面や水草の表面に生える茶ゴケ対策ではなく、水草や流木、石に生える糸状のコケや、流木に生える白カビや水アカなども食べてくれる、非常に優秀なメンテナンスシュリンプです。
30センチ水槽で3匹前後、60センチ水槽で8匹前後を投入目安にしていますが、コケが以上に生えている場合はその倍入れることもあります。
ミナミヌマエビ

ヤマトヌマエビだとサイズが大き過ぎる、水草を植栽したばかりまたは、柔らかく水草被害をできるだけ避けたい方へおすすめなクリーナーシュリンプが、ミナミヌマエビです。
ヤマトヌマエビよりコケ取り能力は弱いことはデメリットですが、水草の食害被害も少ないメリットがあります。
ミナミヌマエビでコケ取り成果を上げたい場合は、数を増やすことで期待できます。
とは言え、コケ取り能力を最優先にするなら、ミナミヌマエビよりも私ならヤマトヌマエビを追加します。
そのくらい、ヤマトヌマエビとミナミヌマエビはコケ取り能力に差があります。
ミナミヌマエビは、淡水水槽でも簡単に繁殖ができるのもポイントなので、繁殖を楽しみたい方にもおすすめです。
石巻貝

様々な水槽を綺麗にするメンテナンスフィッシュのなかで、最強のコケ取り生物はこの石巻貝ではないでしょうか。
似た種類で最強コケ取り生物と呼ばれるカバクチカノコ貝もいるのですが、実際にコケ取りをさせてみると石巻貝は遜色ありませんし、カバクチカノコ貝よりリーズナブルな点もおすすめです。
水槽面のコケはもちろん、流木や石の表面、大きな葉を持つ水草の表面も綺麗にコケを取り除いてくれます。
コケ取りとしては非常におすすめですが、1つだけデメリットがあります。
それは、白く硬い卵を水槽に産み付けることです。
正直、水槽の鑑賞性が低下すること、硬いことで流木や石に産み付けられてしまうと、完全に綺麗に取ることが難しいです。
美しい水草水槽を管理する方が、石巻貝の導入をしない理由はここにあります。
水槽の鑑賞性を最優先に置くことは導入は控えて、オトシンクルスにしましょう。
サイアミーズフライングフォックス
サイアミーズフライングフィックスは、頑固な黒髭ゴケを食べてくれる貴重なメンテナンスフィッシュです。
水草水槽のコケ取りとして、オトシンクルスより強力な効果を発揮してくれますので、水草水槽のコケで悩んだ時は導入を検討するのも良いでしょう。
ただし、石巻貝同様、サイアミーズフライングフォックスにもデメリットがあります。
それは、大きくなりすぎてしまうことです。
小型サイズで購入したものの、成長し巨大化すると他の生体を追いかけ回すなど問題が出ることもあります。
120センチ以上の水槽に1匹ぐらいからが導入の目安となり、小型水槽には向きません。
なお、一度入れると編みで捕獲することも難しいので、導入には深く理解してから迎えるようにしましょう。
【まとめ】水槽に発生するコケ・藻の原因、解決策

アクアリウム水槽におけるコケの発生原因から解決策まで徹底解説しました。
熱帯魚水槽でも金魚水槽、メダカ水槽でも、アクアリウムを管理していれば必ず1度はコケに悩む日が訪れるものです。
その時に、なぜコケが発生してしまったのか、冷静に分析し原因を把握し対処していくことがとても重要です。
正しい、対処ができるようになれば決して難しい問題ではありません。
今まで、アクアリウム水槽のコケ取り対処には様々な方法がありましたが、弊社公式YouTube、アクアリウム大学で今までの水槽管理経験ノウハウを公開したところ、多くの方からコケが減った、水槽を綺麗に維持管理することができるようになったといった、感想をいただけるようになりました。
アクアリウムは正しい水槽管理方法を身につければ、決して難しいことではありません。
ここまでご覧にいただきそれでも難しくわからない方は、お気軽にアクアレンタリウムまでご相談ください。
1回から訪問可能な、出張水槽メンテナンスも承ります。
プロのメンテナンス方法から、いまお持ちの水槽を日々どのように管理することが正解なのか、すべて専属担当者がやさしくお伝えいたします。
みなさまのアクアリウムが理想の水槽なるお手伝いができれば幸いです。
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。